長さや太さにより全国的に栽培されそれぞれの土地にあった種類が選ばれている。家庭菜園では長い系統の芋は収穫時の困難さもあってお勧めしない。屋根用の樋を使った栽培を試みたが、樋の長さが有効長で70pであったので、樋を外れた後は滝のように落下し20p以上掘り下げることがあった。
中〜短い品種のものが良いと思いますが、そのまま植えても結果は同じになるので、芋の成長方角をコントロールできる栽培が求められます。またそのような目的の資材も販売されています。
中〜短形のものは前に使用した樋で十分でしたが、施肥料の不適でしょうか、芋の分岐が多くみられました。分岐した物でも味などには変わりなく、芋の成長先端部は特にすりおろした時の見た目が最高でした。
最初種芋は市販の食料用ナガイモを購入し、100g程度で分割、オーソサイドで消毒、後乾燥したものを植えたが、2割の発芽不良が見られ、地中で腐敗していた。植え付けが早すぎたのか、植え付け深さ良くなかったのか、いずれにしても発芽までは時間(約30日以上)がかかりました。
その後の栽培は種芋を購入し、植え付けを行ったので発芽不良は無くなりました。切り芋を使用した時と違って品種がはっきりしているのでその点は安心です。
ツルネットは茎葉が生茂り、秋の台風に耐えなければなりませんので頑丈さが求められます。ネット面の支柱に両側からロープを2〜2.5mに一対張りますとかなりの頑丈さになりますので、結果は良かったです。地上面のロープ支持部は50p以上地中に挿しこめる丈夫な資材が必要です。
具体的には、13o、長さ60pの異形棒鋼をハンマーで叩き込み、それに結ぶとよい。ロープは8mmの虎ロープが使いやすく、PPロープとして販売されている物は対候性に問題があり、使用中に風の力で切れる可能性もありますが、8mm以上でしたら単年度は使用可能かもしれません。
萌芽し、10p以上になりましたらネットにツルを這わせ、軽く紐で結んであげます。順調にネットに絡みだして来たら結ぶことは必要でなくなります。
ツルが1.5〜2mほどに達したころにツルから離れた所に化成肥料を施し、草勢を見ながら10月頃まで2〜3回追肥します。収穫はツル、葉が完全に枯れたころにします。早く収穫すると茎葉に近い元芋部はおろし器や包丁で刻むと断面などが空気に触れて褐変してしまいます。
また芋の肌を日光や寒風にさらさないように土を落としたら籾殻を詰めた箱に入れておきます。おおよそ5月いっぱいまで保存、使用できますが、頂芽部を切断し種芋として使用が可能です。
作物名 | ながいも | ||||||||
科 族 目 | やまのいも科やまのいも属 | ||||||||
原産地方 | 中国 | ||||||||
作物特性 | 糖質、カリウム、銅、ビタミンBナイアシン葉酸群、C、パントテン酸、食物繊維が多い低カロリー健康食 | ||||||||
栽培特性 | 糖質は血液により筋肉、脳細胞に運ばれそれらを働かせる為のエネルギー源となり、力や熱を得る元となります | ||||||||
カリウム:ナトリウムを対外に排出する効果のあるところからそれに伴う血圧の低下など生活習慣病予防に寄与 | |||||||||
銅:赤血球を作るのに触媒としての作用があり、鉄とのバランスの取れた摂取が必要 | |||||||||
ビタミンB6はエネルギー変換酵素に触媒的に働き食欲を高め、血管障害を予防する効果がある | |||||||||
葉酸は造血作用に働いて健全な血液を作り出す | |||||||||
ビタミンCは抗酸化作用があり活性酸素の増加を防ぎ抗癌作用があるといわれている | |||||||||
パントテン酸はエネルギー変換に触媒的に働き肥満や生活習慣病予防、免疫力強化に働きがあるといわれる | |||||||||
食物繊維は主に消化器官を適切な状態に保つと共に、それによって各種の生活習慣病の予防に寄与している | |||||||||
消化酵素ジアスターゼを含みでんぷん質の消化を助ける 東海道丸子宿麦とろろ飯は有名で滋養、強壮食品 | |||||||||
品種等 | |||||||||
生育土壌 | pH6〜6.5 | ||||||||
播種時期 | |||||||||
植付時期 | 4月〜5月 | ||||||||
発芽地温 | 15〜20℃ | ||||||||
生育温度 | 15〜30℃ | ||||||||
収穫時期 | 10月〜2月 | ||||||||
保存方法 | 暗所(5℃≦) 栽培土中 | ||||||||
ながいも | 単位は上段を除き100g当りmg(mg/100g) | 日本食品標準成分表より | |||||||
構成物質 | 熱量(Cal) | 水分 | タンパク質g | 脂質g | 炭水化物g | 灰分g | |||
摂取目安 | 2500 | 60 | 70 | 400 | |||||
生・根塊 | 65 | 82.6 | 2.2 | 0.3 | 13.9 | 1 | |||
ゆで・根塊 | 59 | 84.2 | 2 | 0.3 | 12.6 | 0.9 | |||
無機質 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
摂取目安 | 4000≧ | 2500 | 1000 | 350 | 1000 | 10 | 10 | 1 | 4 |
生・根塊 | 3 | 430 | 17 | 17 | 27 | 0.4 | 0.3 | 0.1 | 0.03 |
ゆで・根塊 | 3 | 430 | 15 | 16 | 26 | 0.4 | 0.3 | 0.09 | 0.03 |
ビタミン | A(カロテン) | A(レチノール) | B1 | B2 | ナイアシン | B6 | B12 | C | D |
摂取目安 | 0.7 | 1.5 | 1.5 | 15 | 1.5 | 0.0024 | 100 | 0.005 | |
生・根塊 | Tr | 0 | 0.1 | 0.02 | 0.4 | 0.09 | 0 | 6 | 0 |
ゆで・根塊 | 0 | 0 | 0.08 | 0.02 | 0.3 | 0.08 | 0 | 4 | 0 |
ビタミン | E | K | 葉酸 | パントテン酸 | |||||
摂取目安 | 10 | 0.07 | 0.25 | 7 | |||||
生・根塊 | 0.2 | 0 | 0.008 | 0.61 | |||||
ゆで・根塊 | 0.2 | 0 | 0.006 | 0.5 | |||||
脂肪酸 | 飽和 | 1価不飽和 | 多価不飽和 | コレステロール | |||||
摂取目安 | 750≧ | ||||||||
生・根塊 | 40 | 20 | 80 | 0 | |||||
ゆで・根塊 | 40 | 20 | 80 | 0 | |||||
食物繊維 | 水溶性 | 不溶性 | 食塩相当 | 硝酸窒素 | |||||
摂取目安 | 25000 | 10(g)≧ | |||||||
生・根塊 | 200 | 800 | 1000 | 0 | - | ||||
ゆで・根塊 | 200 | 1200 | 1400 | 0 | - | ||||
摂取目安 : 普通活動成人男子の目安 (女子、少年、活動状態により加減) | |||||||||
病気 | 適用薬剤 | 殺菌剤ページへ | |||||||
土壌障害 | 土壌消毒(クロルピクリン等バスアミド微粒剤等) 輪作 親苗の健全採苗 地下水位を下げる | ||||||||
灰色かび病 | |||||||||
斑点細菌病 | |||||||||
菌核病 | |||||||||
白色疫病 | |||||||||
疫病 | |||||||||
夏疫病 | |||||||||
軟腐病 | |||||||||
褐斑細菌病 | |||||||||
黒あざ病 | |||||||||
うどんこ病 | |||||||||
べと病 | |||||||||
黒あし病 | |||||||||
小菌核病 | |||||||||
炭疽病 | ジマンダイセン水和剤 トップジンM水和剤 Zボルドー水和剤 トップジンMゾル ダコニール1000 | ||||||||
つる枯病 | ダコニール1000 | ||||||||
葉渋病 | キノンドー水和剤40 ベルクート水和剤 ジマンダイセン水和剤 トップジンM水和剤 Zボルドー水和剤 | ||||||||
トップジンMゾル ストロビーフロアブル ダコニール1000 | |||||||||
黒斑病 | |||||||||
黒腐病 | |||||||||
そうか病 | |||||||||
粉状そうか病 | |||||||||
春腐病 | |||||||||
根腐病 | 土壌消毒(クロルピクリン等バスアミド微粒剤等) 輪作 親苗の健全採苗 地下水位を下げる | ||||||||
褐色腐敗病 | 土壌消毒(クロルピクリン等バスアミド微粒剤等) 輪作 親苗の健全採苗 地下水位を下げる | ||||||||
茎枯病 | |||||||||
苗立枯病 | |||||||||
斑点病 | |||||||||
害虫 | 適用薬剤 | 殺虫剤ページへ | |||||||
ハダニ類 | ボルテージ乳剤 ニッソランV乳剤 | ||||||||
タバココナジラミ | |||||||||
オンシツコナジラミ | |||||||||
シロイチモジヨトウ | デルフィン顆粒水和剤 | ||||||||
ハスモンヨトウ | |||||||||
ヨトウムシ | |||||||||
コナガ | |||||||||
アオムシ | |||||||||
オオタバコガ | |||||||||
ワタアブラムシ | |||||||||
アブラムシ類 | オルトラン水和剤 モスピラン水溶液 | ||||||||
イモグサレセンチュウ | |||||||||
ネコブセンチュウ | ネマトリンエース | ||||||||
ジャガイモガ | |||||||||
ジャガイモシストセンチュウ | |||||||||
テントウムシダマシ | |||||||||
ヤマノイモコガ | オルトラン水和剤 ボルテージ乳剤 ガードジェット水和剤 | ||||||||
ナガイモガ | アタブロン乳剤 | ||||||||
ナメクジ カタツムリ類 | |||||||||
コガネムシ類幼虫 | |||||||||
ネキリムシ | |||||||||
ケラ ネキリムシ類 | |||||||||
キスジノミハムシ | |||||||||
ネギコガ |
2009年栽培
3月29日
支柱、ネットプリセット 定植圃場
5月11日
植え付け後 まだ発芽していない
6月9日
1mの高さまで巻き付く
7月17日
支柱いっぱいまで
8月12日
試掘り
9月19日
生育後期
12月13日
収穫 約1/3を掘り起こす
3/29
5/11
6/9
7/17
8/12
9/19
12/13
キイロスズメガ老齢幼虫