栽培とメモ帳

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栽培始めは容易(土壌が新しい)に収穫でき、3から4年後には非常に栽培が難しくなる野菜です。初期の栽培容易さから、手入れや、監視が不十分になり、「こんな筈ではなかった」と慣れの結果。病虫害の多発に対応するいろいろな知識不足などが難しくする要因となります。いまだ、栽培が軌道に乗らない野菜です。

苗購入の場合は価格は高くとも接木苗の選択を優先したい。栽培したい種の接木苗が販売されていない時は台木種を購入して接木する事になります。この場合の種まきは、寒い時期となりますので、発芽で30℃育苗には20℃〜25℃以上確保する設備が必要になります。

接ぎ木を育苗するときは1月中旬頃に台木の種をまきます。台木の種類によりますが、トルバムビガーの場合は約30日、台太郎の場合は約20日後に穂木の播種を行います。トルバムビガーは種が小さく発芽の揃いが悪く成育が緩やかなので多めに蒔く様にします。(素人菜園の故に)台木、穂木とも連結ポットに播種し、3号ポットに移植育苗し、穂木播種後約45〜50日で接ぎ木作業をします。活着した後、5号ポットに移植し一番花が咲く定植適期まで育苗します。育苗期間が1月〜5月にまたがる長い育苗期間の野菜です。

ナスは夏野菜の中で最も低温に弱い野菜で、育苗期間中に失敗することが多く、私も2回全滅させてしまいました。60日以上慎重にしてきたのに、一夜の低温ですべてがダメになるのですからがっかりしました。二回とも二泊、三泊の旅行に行った時のことでした。同じ環境でトマト、カボチャ、メロンなどは枯れずにいたのですがね。結果、時遅く接ぎ木苗を購入することに。

定植は5月に入って地温が15℃以上になってからが生育が順調です。それまでの育苗はトンネル内で最高気温、最低気温に注意しながら育てます。定植場所は黒マルチをすると地温上昇に効果があり、雑草の防除にもなります。

定植前に倒伏防止の為の支柱を立て、それに沿うように定植すると苗の根を痛めることがありません。その後、1番果の下の良い側枝2本を選択し、主枝、側枝合計3本を栽培枝とします。なるべく早めにそれぞれに支柱を立て風や果重に備えます。

順調に収穫が始まり出した頃に突然茎葉が枯れ始めることがあります。朝方には回復したように見えますが、4〜5日で回復することはなくなり、生気が消えます。ナスはこの青枯れ病に犯され易い野菜です。対策としては、素早く圃場から根こそぎ排除する以外にはありません。

同様な時期に葉が黄化する症状が現れることがあります。半身萎凋病で、全体が枯れるようなことはなく、名の如く半身の黄化が見られます。そのまま栽培を続けると黄化が全体に進み、収穫できなくなり、他の株に伝染も考えられます。対策として、ベンレート水和剤の500倍液を株元に水やりの要領で灌注します。5日後に同様な処置をし一週間様子を見て改善されないようでしたら栽培をあきらめ株ごと抜き取り処分します。

栽培場所の余裕があるときは、5月ごろ種まきすると更新剪定することなく初夏〜晩秋まで連続して収穫する事ができます。この頃は育苗も加温の必要性もなく、接ぎ木もし易いので試してはいかがでしょうか。梅雨時〜盛夏の病気や、初秋の害虫が多いので観察、注意して防除に努めます。数多くの種が市販されているので家庭菜園ならではの立場で栽培できるのも魅力です。

肥料を多く消費する野菜なので芽生長点、葉色、果色を見ながら肥料切れに注意します。収穫後期になると勢いが弱くなり、ヘタや果が褐色になるダニの被害が目に付くようになりますので、注意します。その他の害虫ではネコブセンチュウによる被害が目立ちますので、定植前にネマトリンエースを定量耕土に混ぜておきます。

終わりに家庭菜園栽培では4株で十分で、それ以上の栽培をしたところで無駄が多く意気消沈です。接ぎ木作業もそれ自体を目的にする以外に何の意味も見いだせないほどです。結局、接ぎ木苗を4本購入することが全体として最良の方法ではないでしょうか。

作物名 なす
科 族 目 なす科 なす族
原産地方 インド地方 中国、朝鮮経由で渡来
特徴特性 高温適湿生育性(20℃〜30℃)  
なす紺の色素はアントシアニン 水分90%以上で栄養価はカリウムを除けは低い
アントシアニン(ナスニン)は鉄、アルミニウムと反応しビビットなナス紺になるので各種漬物に応用されている
スポンジ状の果肉は外からの味を含みやすく、多くの調理方法が考えられている
青枯病に罹りやすく、接木株採用や、土壌消毒、輪作(なす科以外)等連作障害回避などの対策が必要
収穫終期にチャノホコリダニの被害が多く見られるので、症状が見られたら薬剤(オサダン等)を規定散布する
収穫期には家庭菜園としては採れすぎの感があるので、2本/2人、4本/4人と1人当たり1本が適当
圃場に余裕が有れば種まき時期を変えると5月から11月まで収穫する事ができる
品種等 卵型なす、長卵型なす、 中長なす、大長なす、小丸なす、 大丸なす、 米なす、水なす等
生育土壌 弱酸性(Ph6.0〜6.5)
播種時期 1月〜2月(露地栽培) 4月〜5月(秋なす露地栽培)
植付時期 4月〜5月(露地栽培)梅雨明け剪定秋なす栽培  7月〜8月中旬(秋なす露地栽培) 
発芽地温 25℃〜30℃(年初播は加温育苗)
生育温度 周囲温度20℃〜30℃ 地温15℃〜20℃
収穫時期 初期果実は早めに収穫 取り遅れないこと(光沢が無くなる)
保存方法 水滴をつけたまま保存しない 適湿の紙に包みポリ袋に入れ口を開けて常温保存する
なす 単位は上段を除き100g当りmg(mg/100g) 日本食品標準成分表より
構成物質 熱量(Cal) 水分g タンパク質g 脂質g 炭水化物g 灰分g
摂取目安 2500 60 70 400
生果実 22 93.2 1.1 0.1 5.1 0.5
ゆで果実 19 94 1 0.1 4.5 0.4
糠味噌漬 27 88.7 1.7 0.1 6.1 3.4
無機質 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛 マンガン
摂取目安 4000≧ 2500 1000 350 1000 10 10 1 4
生果実 0 220 18 17 30 0.2 0.2 0.06 0.16
ゆで果実 1 180 20 16 27 0.05 0.2 0.05 0.15
糠味噌漬 990 430 21 33 44 0.5 0.2 0.09 0.19
ビタミン A(カロテン) A(レチノール) B1 B2 ナイアシン B6 B12 C D
摂取目安 0.7 1.5 1.5 15 1.5 0.0024 100 0.005
生果実 0.1 0.008 0.05 0.05 0.5 0.06 0 4 0
ゆで果実 0.098 0.008 0.04 0.04 0.4 0.03 0 1 0
糠味噌漬 0.026 0.001 0.1 0.04 1 0.15 Tr 7 0
ビタミン E K 葉酸 パントテン酸
摂取目安 10 0.07 0.25 7
生果実 0.3 0.01 0.032 0.33
ゆで果実 0.3 0.01 0.022 0.29
糠味噌漬 0.3 0.012 0.043 0.67
脂肪酸 飽和 1価不飽和 多価不飽和 コレステロール
摂取目安 750≧
生果実 30 0 0 1
ゆで果実 30 Tr
糠味噌漬 - - - 0
食物繊維 水溶性 不溶性 食塩相当 硝酸窒素
摂取目安 10(g)≧
生果実 300 1900 0 Tr
ゆで果実 700 1400 0
糠味噌漬 600 2100 2500
摂取目安 : 普通活動成人男子の目安 (女子、少年、活動状態により加減)
病気 適用薬剤                        殺菌剤ページへ
青枯病 土壌消毒(クロルピクリン) 接木台木 輪作 地下水位を下げる 
半身萎凋病 ベンレート水和剤株元灌注 青枯病に順ずる
灰色かび病 ロブラール水和剤 ベルクート水和剤 ベンレート水和剤 トップジンM水和剤 スミレックス水和剤 ダコニール1000
菌核病 ロブラール水和剤 ベンレート水和剤 トップジンM水和剤 スミレックス水和剤 トップジンMゾル
褐紋病 ロブラール水和剤 ダコニール1000 ドウジェット水和剤
すすかび病 ロブラール水和剤 トリフミン水和剤 ベルクート水和剤 ダコニール1000 ストロビーフロアブル
黒枯病 ロブラール水和剤 ベンレート水和剤 トップジンM水和剤 ダコニール1000
褐色腐敗病 サンボルドー サンドファンC水和剤
輪紋病
苗立枯病 クロルピクリン
うどんこ病 バイレトン水和剤 カリグリーン ベルクト水和剤 モレスタン水和剤 ストロビーフロアブル サプロール乳剤
さび病 カリグリーン
害虫 適用薬剤                   殺虫剤ページへ
ハダニ類 マラソン乳剤 オサダン水和剤 テデオン水和剤 ネマトリンエース アファーム乳剤
チャニホコリダニ モレスタン水和剤 オサダン水和剤 アファーム乳剤 モレスタン水和剤
ミナミキイロアザミウマ オルトラン粒剤 オルトラン水和剤 アドマイヤー水和剤 アルバリン顆粒 アタブロン乳剤 アファーム乳剤
ミカンキイロアザミウマ オルトラン粒剤 オルトラン水和剤 ネマトリンエース アファーム乳剤 
オンシツコナジラミ オルトラン粒剤 アドマイヤー水和剤 ネマトリンエース アルバリン顆粒
ハスモンヨトウ アタブロン乳剤 アファーム乳剤
ヨトウムシ トアローCT
コナガ トアローCT
アオムシ トアローCT
タバコガ アタブロン乳剤
オオタバコガ アファーム乳剤
アブラムシ類 オルトラン粒剤 オルトラン水和剤 アドマイヤー水和剤 スミチオン乳剤 アルバリン顆粒 マラソン乳剤
マメハモグリバエ アファーム乳剤
テントウムシダマシ スミチオン乳剤
ネコブセンチュウ ネマトリンエース 土壌消毒(クロルピクリン等)
ケラ ネキリムシ類 ダイアジノン粒剤
ナメクジ カタツムリ類 ナメキット

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青枯病 (細菌)

青枯病 白濁液

青枯病 導管部の褐色詰まり

灰色かび病 (糸状菌)

半身萎凋病 (糸状菌)

半身萎凋病 手前側の黄化

褐紋病 (糸状菌)

褐紋病

褐紋病 紋中央が薄く弱い

うどんこ病 葉かび病 (糸状菌)

うどんこ病




害虫益虫写真

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウ 幼齢幼虫裏葉だけ食べる

茎に食い込んだハイマダラノメイガ

ハイマダラノメイガ幼虫

ドウガネブイブイ

拡大 何の幼虫でしょうか?  

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すすかび病 (糸状菌)

米なす

大きなコブと右側ネコブセンチュウの被害根  コブの中




病気写真

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チャノホコリダニの吸注害

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3/21

4/28

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5/24

2008年栽培

害虫?益虫?卵塊

その中 何の卵か?

シロイチモジヨトウ

ドクガ?類

オンブバッタ 大きいほうが雌

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病気写真


害虫益虫写真

なす

オオニジュウヤマホシテントウ

2月20日種まき
  加温で約日中25〜30℃、夜間室内に入れ約15〜20℃
  加温方法: 蓋付の透明ポリプロピレン衣装ケースに入れ日当たりのよい屋外に置く。
          ケースと蓋の間には隙間が若干あるので放置しておいても30℃を少し超える程度です。
          pm3頃室内にケースのまま取り込み遮光と保温を兼ね毛布等をかける。
          曇雨時は室内の窓際において光を与え特別の加温はしなかった。

          5月初旬に定植を予定すると種まきは1月になると思われるので、特別な加温方法をする。
          

3月5日発芽
  2週間で発芽する。

3月21日
  本葉4枚頃3号ポットに移植し、ビニールトンネルで育苗する。

4月28日頃
  5号ポットに植え替え、風除け露地育苗とする。

5月24日
  花蕾が見え定植間近

6月5日頃
  整枝3本仕立て 1番花の枝とその下2本の芽枝を残し、その他の側枝は切り取る。

6月22日
  初収穫する。

7月8日
  枝補強の支柱を設置する。

10月15日
  収穫の終わり。

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