伊豆諸島に自生する多年草で、葉が大きくなる前の若葉を切り取って利用します。島の言い伝えとして、若葉を採っても明日になれば葉が生えてくるので、明日葉の名がついたという。実際はそれほどのことはありませんが、若葉の出てくるのは早いです。
八丈島に訪れると必ず食卓に上がる野菜でもあります。お浸しや、天ぷら等で、料理のバリエーションはあまり多くはないと思う。
茎葉を切り取ると断面から黄色の草液が出てくるのが特徴で、レタス類の白液と似ています。この液は明日葉に備わった防衛手段の一つかもしれません。またこの液体が肌や衣服に付くと落ちにくいので嫌う方は注意が必要です。さらに黄色い液体は人によってはグロテスク色に感じるのではないでしょうか。
カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルや、各種ビタミンが豊富で利用価値が高い。ビタミン類の内特にビタミンKが多く含まれているので、ある種類の血液調整剤を服用している方は注意が必要です。
4月に入ってから種を蒔きます。本葉が展開するころに4号ポットに移植し、6〜7月に定植します。定植場所は日当たりがよく、保水性がある土壌が適しますが、耕土が薄く滞水が見られるところは避けます。
移植後は均等化成肥料や,NK化成肥料、油かすを月替わりに施します。病気の発生は見られませんでしたが、害虫の被害が見られ、特にキアゲハの寄生が多かった。パセリなどセリ科共通の害虫です。
霜が降りるころになると茎葉が黄化し、やがて枯れます。始めて栽培したときにビニール被覆と水封ビニールで防寒したところ、一部黄化も見られましたが立派に冬越しをしました。二回目の栽培では株に不織布のみでべた掛けしたところ、茎葉は枯れましたが株元から萌芽し再生できました。この結果を見たところでそこまでして栽培することはない野菜と感じ、栽培をやめました。
作物名 | あしたば | ||||||||
科 族 目 | せり科ししうど属 | ||||||||
原産地方 | 東海伊豆、伊豆七島 | ||||||||
作物特性 | K,Fe、Cu、Mn、ビタミンA(βカロテン)、Bナイアシン葉酸群、C、E、K、パントテン酸(B6)、食物繊維を多く含む | ||||||||
栽培特性 | カリウム:ナトリウムを対外に排出する効果のあるところからそれに伴う血圧の低下など生活習慣病予防に寄与 | ||||||||
鉄:赤血球を構成するヘモクロビンの成分で体内に酸素を供給する重要な働きがあり不足すると貧血症になる | |||||||||
銅:赤血球を作るのに触媒としての作用があり、鉄とのバランスの取れた摂取が必要 | |||||||||
マンガン:エネルギー代謝に必要な酵素や生体維持の為の各種酵素の成分として必要ミネラル | |||||||||
ビタミンA、(βカロテン)は視神経を活発化するとともに美肌にも効果があるといわれている | |||||||||
カロテンは色素成分で活性酸素を阻害する抗酸化作用があり、生活習慣病予防や免疫を強化する働きがある | |||||||||
ビタミンB群、葉酸はブドウ糖、脂肪、タンパク質を効率よく熱に換えたり、細胞の増殖に重要な働きをしている | |||||||||
葉酸は造血作用に働いて健全な血液を作り出す | |||||||||
ビタミンCは抗酸化作用があり活性酸素の増加を防ぎ抗癌作用があるといわれている | |||||||||
ビタミンEは抗酸化作用があり、活性酸素を押さえ老化や悪玉コレステロールによる血管障害など生活習慣病の予防 | |||||||||
ビタミンKは血小板の働きを助けたり造骨作用を活性化し、骨粗しょう症の改善や予防の働きがある | |||||||||
食物繊維は主に消化器官を適切な状態に保つと共に、それによって各種の生活習慣病の予防に寄与している | |||||||||
パントテン酸はエネルギー変換に触媒的に働き肥満や生活習慣病予防、免疫力強化に働きがあるといわれる | |||||||||
あしたばの黄色い樹液には物質「カルコン」「クマリン」が含まれ、クマリンは強い抗菌作用があるといわれ | |||||||||
カルコンには抗菌作用、抗酸化作用が有りガンの抑制や血行を良くし血圧を下げる効果があると言われる | |||||||||
品種等 | |||||||||
生育土壌 | pH6〜6.5 水持ち良く通気性がある | ||||||||
播種時期 | 4月〜5月 | ||||||||
植付時期 | 5月〜6月 | ||||||||
発芽地温 | 15〜25℃ | ||||||||
生育温度 | 15〜25℃ | ||||||||
収穫時期 | 5月〜11月 | ||||||||
保存方法 | |||||||||
あしたば | 単位は上段を除き100g当りmg(mg/100g) | 日本食品標準成分表より | |||||||
構成物質 | 熱量(Cal) | 水分g | タンパク質g | 脂質g | 炭水化物g | 灰分g | |||
摂取目安 | 2500 | 60 | 70 | 400 | |||||
生・葉 | 33 | 88.6 | 3.3 | 0.1 | 6.7 | 1.3 | |||
ゆで・葉 | 31 | 89.5 | 2.9 | 0.1 | 6.6 | 0.9 | |||
無機質 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
摂取目安 | 4000≧ | 2500 | 1000 | 350 | 1000 | 10 | 10 | 1 | 4 |
生・葉 | 60 | 540 | 65 | 25 | 65 | 1 | 0.6 | 0.16 | 1.05 |
ゆで・葉 | 43 | 390 | 58 | 20 | 51 | 0.5 | 0.3 | 0.13 | 0.92 |
ビタミン | A(カロテン) | A(レチノール) | B1 | B2 | ナイアシン | B6 | B12 | C | D |
摂取目安 | 0.7 | 1.5 | 1.5 | 15 | 1.5 | 0.0024 | 100 | 0.005 | |
生・葉 | 5.3 | 0.44 | 0.1 | 0.24 | 1.4 | 0.16 | 0 | 41 | 0 |
ゆで・葉 | 5.2 | 0.44 | 0.07 | 0.16 | 0.8 | 0.1 | 0 | 23 | 0 |
ビタミン | E | K | 葉酸 | パントテン酸 | |||||
摂取目安 | 10 | 0.07 | 0.25 | 7 | |||||
生・葉 | 4.3 | 0.5 | 0.1 | 0.92 | |||||
ゆで・葉 | 3.1 | 0.38 | 0.075 | 0.45 | |||||
脂肪酸 | 飽和 | 1価不飽和 | 多価不飽和 | コレステロール | |||||
摂取目安 | 750≧ | ||||||||
生・葉 | - | - | - | 0 | |||||
ゆで・葉 | - | - | - | 0 | |||||
食物繊維 | 水溶性 | 不溶性 | 食塩相当 | 硝酸窒素 | |||||
摂取目安 | 25000 | 10(g)≧ | |||||||
生・葉 | 1500 | 4100 | 5600 | 200 | Tr | ||||
ゆで・葉 | 1400 | 3900 | 5300 | 100 | Tr | ||||
摂取目安 : 普通活動成人男子の目安 (女子、少年、活動状態により加減) | |||||||||
病気 | 適用薬剤 | 殺菌剤ページへ | |||||||
土壌障害 | 土壌消毒(クロルピクリン等) 輪作 親苗の健全採苗 地下水位を下げる | ||||||||
灰色かび病 | |||||||||
斑点細菌病 | Zボルドー水和剤 | ||||||||
菌核病 | |||||||||
疫病 | リドミツ粒剤 | ||||||||
炭疽病 | |||||||||
軟腐病 | Zボルドー水和剤 カッパーシン水和剤 ビスダイセン水和剤 | ||||||||
褐斑細菌病 | Zボルドー水和剤 | ||||||||
黒星病 | |||||||||
うどんこ病 | カリグリーン ストロビーフロアブル | ||||||||
べと病 | Zボルドー水和剤 | ||||||||
褐斑病 | |||||||||
つる枯病 | |||||||||
さび病 | カリグリーン | ||||||||
黒腐病 | Zボルドー水和剤 | ||||||||
果実陥没病 | |||||||||
果実汚斑細菌病 | |||||||||
花蕾腐敗病 | |||||||||
フザリウム立枯病 | |||||||||
根こぶ病 | |||||||||
茎枯病 | |||||||||
立枯病 | ベンレート水和剤 | ||||||||
斑点病 | ストリビーフロアブル カッパーシン水和剤 ビスダイセン水和剤 トップジンM水和剤 ダコニール1000 | ||||||||
害虫 | 適用薬剤 | 殺虫剤ページへ | |||||||
ハダニ類 | |||||||||
タバココナジラミ | |||||||||
オンシツコナジラミ | |||||||||
ハスモンヨトウ | トアローCT アファーム乳剤 | ||||||||
ヨトウムシ | トアローCT アファーム乳剤 エスマルクDF | ||||||||
コナガ | トアローCT エスマルクDF | ||||||||
アオムシ | トアローCT エスマルクDF | ||||||||
オオタバコガ | アファーム乳剤 エスマルクDF | ||||||||
タバコガ | アファーム乳剤 | ||||||||
アブラムシ類 | マラソン乳剤 アルバリン顆粒 | ||||||||
ネグサレセンチュウ | |||||||||
ネコブセンチュウ | |||||||||
アザミウマ類 | |||||||||
ミナミキイロアザミウマ | |||||||||
ミカンキイロアザミウマ | |||||||||
タマナギンウワバ | |||||||||
ハモグリバエ類 | アファーム乳剤 | ||||||||
ナメクジ カタツムリ類 | |||||||||
コガネムシ類幼虫 | |||||||||
ネキリムシ | |||||||||
ケラ ネキリムシ類 | |||||||||
キスジノミハムシ | |||||||||
ウリハムシ |
5/13
6/11
8/17
11/20
12/2
12/2
2009年栽培
キアゲハ幼虫
ハダニ?被害葉
5月13日
種まき発芽
6月11日
ポット育苗
8月17日
定植圃場
11月20日
思ったより大株になる
12月2日
2回目の収穫
12月2日
黄色い樹液の成分カルコンとクマリン